【新NISA対応】プロが注目する「ラッセル指数」とは?S&P500との違いから種類・投資戦略まで徹底解説!
(※この記事は2025年9月時点の情報に基づいています。)
新NISAが始まり、米国株式投資への注目がますます高まっています。「米国株投資」と聞くと、多くの人がS&P 500や全世界株式を思い浮かべるかもしれません。しかし、実は世界のプロの機関投資家が長年活用し、S&P 500とは異なる魅力を持つ「ラッセル指数」という選択肢があることをご存知でしょうか?
日本ではまだ馴染みが薄いかもしれませんが、このラッセル指数は、米国経済のダイナミズムをより早期に、そして幅広く捉える可能性を秘めています。この記事では、ラッセル指数が一体どのようなものなのか、S&P 500との決定的な違い、そしてあなたの投資スタイルに合わせた選び方まで、徹底的に解説していきます。
1. ラッセル指数とは?プロが活用する米国株インデックス
ラッセル指数は、米国株式市場の主要なインデックスの一つです。その歴史は古く、アメリカでは40年以上の歴史を持ち、プロの機関投資家が運用のベンチマークとして主に活用してきました。
元々は、ラッセル・インベストメントというプロ向けの投資コンサル会社が、投資家からの依頼を受けて指数を開発したのが始まりです。つまり、プロの投資家の意見が色濃く反映された、信頼性の高い指数と言えるでしょう。
これまで日本の個人投資家が直接投資できる商品は限られていましたが、近年、三井住友トラストアセットマネジメントからラッセル指数を対象とした投資信託が提供されるなど、その選択肢が大きく広がりました。
2. S&P 500と何が違う?ラッセル指数の決定的な優位性
同じ「米国株式の大型株をカバーするインデックス」であるS&P 500とラッセル1000ですが、実は非常に重要な違いがいくつかあります。
2.1. 銘柄選定基準の大きな違い
- S&P 500: 時価総額上位500銘柄が対象ですが、銘柄選定の主要な基準の一つに「4四半期連続の黒字利益」があり、最終的には委員会による裁量判断で構成銘柄が決定されます。
- ラッセル指数: 時価総額のみを基準とし、利益が出ていない赤字企業でも、時価総額の基準を満たせば組み入れの対象となります。
この違いが、市場のイノベーションを捉える速度に大きな差を生み出しています。
2.2. 成長銘柄の「早期取り込み」がリターンに差を生む
最も象徴的な例が、電気自動車大手のテスラです。
- ラッセル1000は、S&P 500がテスラを採用する約10年前からテスラを組み入れていました。
- 採用当時、テスラはまだ会計上の利益を出していませんでしたが、時価総額で上位1000社に入っていたため組み入れられました。この期間に、テスラの株価は大きく成長しました。
- S&P 500にテスラが最終的に組み入れられた時には、すでに時価総額で全米トップクラスの巨大企業に成長していました。
この事例は、ラッセル1000が成長の早い段階で投資機会を捉える可能性があることを示しています。Google、Amazonなども、ラッセル指数の方がS&P 500より組み入れタイミングが早かったと言われています。
2.3. 長期的なリターンについて
テスラのような大型成長銘柄を早期に組み入れたことで、ラッセル1000がS&P 500を上回るパフォーマンスを示した時期もあります。しかし、常にラッセル1000が優位というわけではなく、GAFAMなど巨大ハイテク株の影響力が強い局面ではS&P 500が上回ることもあります。どちらが優れていると一概に言うのではなく、リターンの源泉となる銘柄群や特性が異なると理解することが重要です。

2.4. 市場のダイナミズムを反映する「見直し頻度」
ラッセル指数は、毎年1回(6月)に構成銘柄の定期的な見直しを行っています。これにより、その時点での米国市場の時価総額ランキングが正確に反映されます。また、新規上場(IPO)した大型銘柄については四半期ごとに追加されるため、市場に新たに登場した企業をいち早く組み入れる仕組みも持っています。
(元の記事の「四半期ごと」はIPO銘柄の追加を指しており、全銘柄の定期的な見直しは「年1回」が正確です。)
3. 選び方がわかる!ラッセル指数の3つの種類と特徴
- 3.1. ラッセル1000(大型株)
- 3.2. ラッセル2000(中小型株)
- 3.3. ラッセル3000(米国市場全体)
4. ラッセル指数を活用した投資の心得
- 4.1. 自分の「投資目的」を明確にする
- 4.2. 分散投資の視点
5. 新NISAでラッセル指数に投資するメリット
- 成長投資枠で投資可能
- 新たな選択肢とオリジナリティ
まとめ
ラッセル指数は、S&P 500とは異なる純粋な時価総額基準と、年1回の定期見直しにより、市場のダイナミズムを客観的に捉える特性を持つ、プロの投資家が長年活用してきた信頼性の高い米国株式インデックスです。
テスラの事例に代表されるように、利益基準を設けないことで、S&P 500では捉えきれなかった成長機会をより早期に享受できる可能性があります。
日本の個人投資家もNISAの成長投資枠で手軽に投資できるようになった今、あなたの投資目的に合わせてラッセル指数を検討する価値は大いにあります。S&P 500との特性の違いを理解した上で、ポートフォリオの新たな選択肢として加えてみてはいかがでしょうか。
【重要】投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でお願いいたします。